私がGIZMON iCAを企画したのは4年前になります。当時の私はカメラの設計に熱中していました。それ以前にはiPhone向けのコンバージョンレンズを販売していた事もあり、写真の世界でのiPhoneの盛り上がりを実感していました。「私が作っているカメラはiPhoneに負けているのではないか?」「このままではカメラ業界はどうなるのだろうか?」などと考えるようになっていました。
iPhoneはカメラの性能も高く、多くのアプリを使うことによって、素晴らしい写真を撮影できます。なおかつメールやソーシャルネットワーク機能などを使えば、多くの人との写真の共有が気軽に行えます。そのような今までのカメラに無い特徴から、iPhoneは写真を楽しむ人々やカメラ業界に多くの影響を与えました。
しかしiPhoneで撮影をしているうちに、iPhoneがカメラの形をしていない事が、撮影機器としての欠点であると感じるようになりました。iPhoneがカメラの形をしていれば、もっと写真を楽しく撮影出来るのに。。。
今現在多くの大手メーカーがクラシカルなデザインのカメラを販売していますが、それと同様の発想だと思います。「iPhoneを完全なカメラにしてみたい」そのような思いでGIZMON iCAのデザインは生まれました。
私はGIZMON iCAを本格的なカメラとしてデザインしました。iPhoneをデジタルバックとして利用するような発想です。構成する部品も40個ほど必要になり、iPhoneケースとしてはあり得ない程の多くの手間がかかります。そうしなければ、iPhoneを完全なカメラにすることが出来ないと考えました。 そのようなこだわりがあったからこそ、GIZMON iCAは多くの方々から高い評価を得られたのだと思います。
German Design Award 2014でノミネートされた沢山の素晴らしい作品の中に、GIZMON iCAを加えていただけたことに大変恐縮しています。これを励みにして、今後もより楽しくてユニークな製品を造っていこうと思います。これからのGIZMONを楽しみにしていてください。
December 2013